• gsktn8

相続登記の期限(期限はないけれども...)


 相続登記には、いつまでにしなくてはならないという期限はあるのでしょうか?

 相続登記をしなくてはならないという義務はあるのでしょうか?  結論から言うと、相続登記に期限はありません。

 また、相続登記をする義務もありません。

 相続登記をしないからといって、過料や罰金のようななんらかのペナルティが課せられることはありません。  実際、相続登記をしないでそのままにしておく方も少なからずいらっしゃいます。

 相続登記をしないのには、話し合いがまとまらないうちに、時間が経過してしまったり、登録免許税の節約のために登記をしなかったりと、様々な理由があります。

 何代も前に亡くなった方が所有者として登記簿に載っていることは、決して珍しいことではありません。

 相続登記をしないでそのまま放っておくと、様々なデメリットが生じる可能性はあります(デメリットについては後述します)。

 ですので、相続登記をしないことは、何らかの理由がある場合を除き、あまりお勧めはできません。

 ただ、相続登記には、いつまでにしなくてはならないという期限のようなものは、現在の法律上制度上の義務はないということにはなります。  しかし、依頼者の方や相談者の方とお話していると、相続登記に期限があるというように誤解されている方が結構いらっしゃるという印象を受けます。  まず、相続登記を3ヶ月以内にしなくてはならないというふうに勘違いされている方がいらっしゃいます。  相続において3ヶ月と言えば、相続放棄のときに問題となる熟慮期間というものがあります。  確かに、相続の放棄をする場合、原則として3か月以内にする必要があります。

 しかし、3か月以内に相続登記をしなくてはいけないという条文はありません。  あくまで、放棄したいのなら3か月以内にしなさい、そうでないと相続することを単純承認したことになり、それ以降に相続放棄をすることはできませんよということです。

 なお、相続放棄は、遺産分割協議の結果、財産を引き継がないこととは全く異なります。

 相続放棄には期限はありますが、遺産分割協議の結果遺産を引き継がないことには、期限はありません。

 もうひとつ、相続登記を10ヶ月以内にしなくてはならないというふうに勘違いされている方がいらっしゃいます。 

 10か月というのは相続税の申告、納付期限です。

 しかし、これまでに相続登記をしなくてはならないということはありません。

 勿論、税金の納付までに相続登記をする(もしくは実際に相続する割合が決まっている)ほうが、誰がいくら相続税を払うか明確になるという面はあるかもしれませんが、少なくとも、登記法上、10か月以内に相続登記をしなくてはならないということは一切ありません。  というように、相続登記にはいつまでにしなくてはならないという期限はありません。

 ただし、いつまでも放っておくと様々なデメリットが生じうるので、早めに相続登記をすることをお勧めします。

 最後に、相続登記をしないでいることのデメリットをいくつか挙げておきます。

 一つは、知らない間に法定相続分による相続登記がされてしまう可能性があることです。

 法定相続分での登記は、相続人全員の同意がなくても、相続人のうちの一人の申請ですることができます。

 また、相続人のうちの誰かの債権者が、相続人の同意なしに相続登記をすることもできます(これを代位登記といいます)。

 例えば、自分が遺産を全部もらうことになっていたはずなのに、話し合いや登記をせずに放っておいたら、法定相続分の登記がされてしまい、しかも、他の相続人の持分が第三者に売却されてしまったというようなケースが考えられます。

 遺産分割前なら、民法909条で、遺産分割協議後なら民法177条で、第三者に対して、自分の相続分を超える部分についての所有権を主張できなくなって支編む恐れがあります。

(参考)

民法 第909条(遺産の分割の効力)

遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

 また、相続登記をしないでいるうちに何代も代が変わってしまうことも考えられます。

 そのような場合、相続の当事者がネズミ算式に増え、解決が困難になることが考えられます。

 当事者が数十人に及び、海外にいる人や行方不明の人がいるというような場合、解決はかなり困難なってしまいます。


28回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

相続登記に権利証(登記済証・登記識別情報)は必要か?

相続登記(相続を原因とする所有権移転登記)を申請するのに、権利証(登記済証)の添付は必要でしょうか? その前に、権利証について簡単に説明すると、権利証とは正式には登記済証と呼ばれるもので、かつて、登記が完了した証として、法務局の印判が押されて、法務局から交付されていたものです。 なお、現在では、登記情報のオンライン化に伴って、登記済証の代わりに、登記識別情報通知というものが発効されています。 今後

被相続人の登記上の住所が最後の住所と違っていたら、被相続人の住所変更登記が必要か?

相続登記をしようと思ったら、被相続人(亡くなった人)の住所が以前の住所のままだったというようなことがあります。 所有権の登記名義人の住所が変わったからと言って、住所変更の登記しなくてはならないと決まっているわけではありません。 住所変更登記は面倒ですし、お金がかかりますし、登記をしなくてもすぐに不利益が生じるわけでもないので、住所変更登記をせずに放っておくということは、比較的よくあることです。 で

遺留分減殺請求と相続登記

遺留分とは、相続人が持っている固有の権利のようなものです。 遺留分を侵害するような遺言や贈与があった場合でも、遺留分については、相続人固有の権利として主張することができます。 ただ、この遺留分の特徴として、主張して初めて実現する権利であり、何もしないでも自然に手に入れることができるものではないということがあります。 その遺留分を主張することを遺留分減殺請求といいます。 では、遺留分減殺請求がされた

対応地域

調布市、三鷹市、武蔵野市、府中市、立川市、狛江市、小金井市、国分寺市、国立市、稲城市、多摩市、八王子市ほか、東京都多摩地域

世田谷区、杉並区、中野区、新宿区、渋谷区ほか、東京23区

川崎市麻生区、川崎市多摩区、ほか、神奈川県、埼玉県等の首都圏

その他、ご依頼があれば全国まで対応いたしますので、ご相談ください(手続によっては面談が必須となります)

取扱業務

​相続手続(相続登記、相続放棄など)、遺言書作成、不動産登記、商業登記、会社設立、役員変更、債務整理、過払い金返還請求、成年後見など。

 

© 2015 by こうご司法書士事務所  Wix.comで作成したホームページです。

東京都調布市の過払い金返還請求、債務整理、相続、登記、成年後見