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被相続人の登記上の住所が最後の住所と違っていたら、被相続人の住所変更登記が必要か?


相続登記をしようと思ったら、被相続人(亡くなった人)の住所が以前の住所のままだったというようなことがあります。

 所有権の登記名義人の住所が変わったからと言って、住所変更の登記しなくてはならないと決まっているわけではありません。

 住所変更登記は面倒ですし、お金がかかりますし、登記をしなくてもすぐに不利益が生じるわけでもないので、住所変更登記をせずに放っておくということは、比較的よくあることです。

 では、相続登記をしようと思ったら、被相続人の登記上の住所が、被相続人の住民票(除かれた住民票)上の最後の住所と異なっていた場合、相続登記の前提として、被相続人の住所変更登記(所有権名義人住所変更登記)は必要なのでしょうか?

 例えば、売買の場合、売主の住所が住民票と違っていたら、売主の住所変更登記をしてからでないと売買を原因とする所有権移転登記を申請することはできません。

 通常は、一件目に住所変更登記、二件目に所有権移転登記というように、同時に連続して(いわゆる連件で)登記を申請することになります。

 そうだとすると、相続の場合でも、被相続人の住所変更登記を行ってから、相続登記をする必要がありそうです。

 しかし、相続の場合は、被相続人の住所変更登記をする必要はなく、直ちに、相続を原因とする所有権移転登記を申請することができます。

 ただし、登記簿上の住所と最後の住所の繋がりを示す書類を「変更証明書」として、添付する必要があります。

 「変更証明書」となりうる書類としては、除かれた住民票や戸籍の附票といった書類になります。

 とはいえ、通常の相続登記では、登記されている人物(亡くなった人)と添付された戸籍上のなくなった人物が同一人であることを示すため、戸籍入りの除かれた住民票や戸籍の附票を添付します。

 従って、何回も引っ越しをしたり、転籍をしたりというような場合を除いて、被相続人の登記簿上の住所が最後の住所と違う場合でも、追加書類なしで、住所変更登記なしに、相続登記ができるということになります。

 結論としては、住所変更登記なしに相続登記ができるということになり、しかも多くの場合は、追加書類もいらないということになりますが、このような場合でも、申請書の添付書類の欄には、「変更証明書」という記載を入れるようにしましょう。

 この記載がなくても、必要書類に不備がなければ(登記簿上の住所と最後の住所の繋がりを示す書類を漏らさず添付していれば)、登記できないということはないと思うのですが、一応、教科書や実務書上は、「変更証明書」と書くような扱いになっているのです。


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