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相続登記に必要な戸籍の取得が楽になります

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相続登記に必要な戸籍の取得が楽になります

相続登記に必要な戸籍の取得が楽になります

2024/01/28

 相続登記を申請するには、たくさんの戸籍を集める必要があります。

 例えば、被相続人の戸籍については、生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍を集める必要があります。


 これまでは、いくつもの役所で戸籍を集める必要がありましたが、2024年3月からは、一カ所で生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍が取得できるようになります。


 どういうことか、具体的に説明していきたいと思います。


 ほとんど全ての人は、一生一つの戸籍だけで過ごすということはありません。

 戸籍を変えながら一生を過ごしていき、その結果、「生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍」は、一つではなく、いくつもの戸籍を指すことになります。


 現在の制度(戦後の制度)を前提とすると、人は、まず生まれると、親(多くの場合父親を筆頭者とする戸籍)に入ります。

 結婚するまでは親の戸籍に入ったままです。


 結婚しない場合、親を筆頭者とする戸籍に、一生入っていることになります。

 結婚した場合には、必ず、新戸籍が編製されるので、結婚した経験がある人は、最低戸籍が二つあることになります。


 結婚以外にも、戸籍が変わる場合があります。

 本籍地を移った場合(転籍)と戸籍自体が変わる改製により、戸籍が変わる場合です。


 本籍地は、住所と関わりなく、いつでもどこにでも変えることができます。

 住所が変わったからといって本籍も変わるわけではないし、逆に、住所が変わらなくても、本籍を変えることはできます。

 他の自治体に本籍を変えた場合、戸籍が新たに編製される(作られる)こtになります。


 改製とは、戸籍の制度が変わることにより、本籍地に変更がなくても、戸籍が新しいものに変わるです。

 直近だと、戸籍のコンピューター化による改製が行なわれましたし、戦前の家制度(戸主制度)が廃止され、戦後民法の制度に変わったときにも改製が行なわれました。


 現在、被相続人として相続手続きの対象となる方は、戦前に生まれた方も少なくありません。

 戦前生れの方の場合、現在の制度とは違う理由で、戸籍が変わることがあります。


 戦前の家制度のもとでは、現在の「親子」をひとかたまりとするのではなく、「家」を塊とする戸籍が作られていました。

 それだけ聞いても、今と変わらないじゃないかと思うかもしれません。

 

 現在と戦前の違いは、「家」というひとかたまりが広く、何人もの人間を含む概念であるということです。


 家制度のもとでは、現在のように、生まれたとき、親の戸籍に入るとは限りません。

 親が入っている戸籍に、入ることになります。


 その戸籍とは、親を筆頭者とする戸籍であるとは限らず、おじいさんの戸籍だったり、叔父さんの戸籍だったりすることもあります。

 むしろ、生まれたときに親を筆頭者とする戸籍に入る方が少ないと言えるでしょう。


 そのような、戦前の家制度のもとでは、戸主の死亡や隠居で戸主が変わると新しい戸籍が編製され、その戸籍に移ることになります。

 その一方で、結婚しても、新しい戸籍に移るようなことはなく、戸主を筆頭者とする戸籍に入ったままでした。


 その家を出るには、「分家」をするなどする必要があります。


 このように、戦前は、今とは別の制度であり、隠居や分家という、今ではなくなった制度で、戸籍が変わるということもありました。

 また、直系ではない、叔父さんの戸籍に入っているというような状態も珍しくありません。


 戦前戦後と制度は変わりましたが、このような理由で、人間はいくつもの戸籍を渡り歩いて、生涯を終えます。

 そして、その人を被相続人とする相続手続きには、相続登記は勿論、金融機関の手続でも、生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍が必要となるのです。


 戸籍が変わっても、本籍地の自治体が変わらなければ、これまでも一カ所で戸籍を全て揃えることは可能でした。

 しかし、これまでは、本籍地が変わっているような場合、いくつもの自治体の窓口に行ったり、いくつもの自治体に郵送で請求したりする必要があったのです。


 それが、2024年3月から一つの自治体窓口で、生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍が取得できるようになるという制度改革が行なわれるわけです。


 これによって戸籍取得がかなり楽になるはずです。


 取得できる範囲が狭かったり(兄弟姉妹の戸籍を取ることはできない)、代理人による取得には対応していなかったり、問題はありますが、これまでに比べると、画期的な変化と言えると思います。

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