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遺言書保管制度

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遺言書保管制度

遺言書保管制度

2024/03/23

遺言書保管制度とは、自筆証書遺言を遺言書保管所(管轄法務局)で保管する制度のことです。自筆証書遺言の原本及びデータが、法務局で長期間適正に管理されることになるのです。

これまで、公正証書遺言が公証役場で保管されるのと比較して、自筆証書遺言には、安心できる保管はありませんでした。例えば、遺言者が自宅の机に鍵を掛けて保管していたとします。誰にも遺言の存在を知らせていなかった場合、その遺言は100%発見されるでしょうか?子ども同士が争って欲しくないとか家を誰々に継がせたいとか、思いを込めて作った遺言も、発見されなければ全く無意味なものとなってしまいます。これは、自筆証書遺言の大きな欠点だったと思います。また、自筆証書遺言の欠点として、遺言を最初に発見した人等が遺言書を破棄してしまったり捨ててしまったりする可能性があり、かつ、遺言の存在が知られていない以上、破棄があっても誰にも分からないというものもありました。

そうしたこともあり、新たに設けられたのが、遺言書保管所(管轄法務局)による、遺言保管制度です。遺言書は、遺言書保管所により、原本と画像データが適正に管理・保管されることになります。なお、遺言書原本は遺言者死亡後50年間、画像データは150年間保管されることになっています。

遺言書保管制度の仕組みと流れ

遺言書保管制度を申請する際の手続の流れは、おおよそ次のようになっています。

<その1> 自筆証書遺言(遺言書)を作成する

まずは、遺言書を作成します。遺言書保管所(管轄法務局)は遺言書の作成に協力したり、手伝ってくれたりはしないので、遺言者自身が遺言書を作成する必要があります。ご自身での作成が難しい場合、こうご事務所にご相談ください。

 

<その2> 保管の申請をする法務局(遺言書保管所)を決める

 次に、実際に遺言書を保管する遺言書保管所を決めます。遺言書保管の申請は、管轄法務局に行なうことになりますが、全ての法務局が遺言書保管所になっているわけではないので、注意が必要です。また、不動産登記と違い、次のいずれかの遺言書保管所の中から選択して行うことができます。

遺言者の住所地を管轄する遺言書保管所

遺言者の本籍地を管轄する遺言書保管所

遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所

※ただし、2通目以降について、追加で保管の申請をする場合、最初に保管の申請をした遺言書保管所意外に申請することはできないのでご注意ください。

 

<その3> 遺言書の保管申請書を作成する

保管申請書を入手し、必要事項を記入し、保管申請書を作成します。

保管申請書は、法務省のページからダウンロードできます。ただし、必ずAdobe Acrobat Reader で開かなくてはならないなどの制限があるので、自身のない方は、最寄りの法務局の窓口で入手した方がよいと思います。

 

<その4> 保管の申請の予約をする

遺言書保管制度の手続は予約必須なので、遺言書保管所に連絡して予約を取ります。

 

<その5> 予約した日時に遺言書保管所にて保管の申請をする

遺言書保管制度は代理人によっては行えないので、必ず遺言者ご本人が遺言書保管所に行く必要があります。持ち物は次の通りです。

・遺言書

・保管申請書

・住民票の写し等(本籍及び筆頭者の記載入りのもの)

・顔写真付きの身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)

遺言書1通につき、3,900円の手数料

 

<ステップ6> 手続終了後に保管証を受領する

※保管証とは:保管証とは、遺言者の氏名・生年月日・手続を行った遺言書保管所の名称・保管番号が記載されている書面です。保管番号は、遺言書を特定するために重要な番号であり、保管番号が分かっていると、保管した遺言書の閲覧等の手続や、相続開始後に相続人が遺言書情報証明書の交付の請求を行うときの手続がスムーズになります。

※保管証は再発行ができないので、注意が必要です。

遺言書保管制度のメリット

遺言書保管制度のメリットは次のようなものがあります。

 

・自筆証書遺言の原本と画像データが長期間適正に管理される。

(原本は遺言者死亡後50年間・画像データは150年間保管)

・保管の手続きの際に、遺言書保管官(法務局職員)が、民法の定める自筆証書遺言の方式について外形的な確認を行ってくれる。

※ただし、確認されるのは、日付が入っているか等の外形的な確認に留まり、遺言の内容についての確認はなされません。また、内容について法務局職員が相談に応じることはできないことになっています。

・相続開始後には、相続人等に遺言書の内容が確実に伝わるように、証明書の交付を受けたり、遺言書の閲覧等ができる制度が用意されている。

・遺言書の検認手続が不要となる。

・遺言書の紛失・亡失のおそれがなくなる。

・相続人等の利害関係者による遺言書の破棄や隠匿を防ぐことができる。

遺言書保管制度の注意点

遺言書保管制度の注意点として、最大のものは、内容のチェックがなされないということです。法務局職員により、日付が入っているか等の外形的な確認はなされますが、遺言の内容についての確認はなされません。その結果、内容に問題のある遺言書でも、問題があることを気がつかないまま保管されてしまう可能性があります。専門職が関与しない場合、そのような問題のある遺言が作成・保管されるリスクは少なくないと思われます。


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