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失踪宣告

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失踪宣告

失踪宣告

遺産分割協議をしようとしたにも関わらず、相続人の行方が不明の場合、相続の話し合いができず、相続手続ができない事がありえます。相続手続を進める大前提として、相続人全員と連絡が取れ、相続人全員に判断能力がある必要があります。判断能力のない相続人がいる場合には成年後見制度の利用を、行方不明者がいる場合、不在者財産管理人の選任か失踪宣告の申立を検討することになります。
失踪宣告も不在者財産管理人選任も、家庭裁判所に申立てを行う形でで行います。
こうご事務所では、家庭裁判所提出書類の作成を承っていますので、相続人が行方不明でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
なお、失踪宣告は相続手続のため以外にも利用されることがあります。例えば、配偶者が長期間行方不明の場合、再婚をしたくても、婚姻関係を解消しないと再婚ができないという問題があります。このような場合、離婚訴訟を提起する方法もありますが、失踪宣告を申立、行方不明の配偶者を死亡したとみなしてうえで、再婚する方法もあります。

相続人が「行方不明」とは?

相続人が行方不明とは、どのような状況をいうのでしょうか?行方不明とは、単に、疎遠で住所や電話番号が分からないとか、どこかに引っ越してしまったという程度のことを指すのではありません。戸籍や戸籍の附票を取得しても、なお、行方がわからない場合に、「行方不明」になっているとして、不在者財産管理人や失踪宣告の制度の利用を検討することになります。

相続人であれば、他の相続人の分も含め、相続手続に必要な戸籍を全て取得することができます。戸籍には戸籍の附票というものがあり、戸籍の附票には、その戸籍が有効だった期間の全ての住所の変遷が載っています。従って、戸籍と附票を調べれば、その相続人の住所がわかることになります。「行方不明」といえるには、戸籍や戸籍の附票からは現住所が分からない(調べても分からなかった)ことが必要です。

不在者財産管理人制度と失踪宣告の違い

ある人について、失踪宣告がなされると、その人は死亡したとみなされます。例えば、相続人の一人が行方不明で、その人に失踪宣告が出た場合、その人を除いた他の相続人で、もしくは、失踪者の相続人と、遺産分割協議をすることができるようになります。

一方、不在者について財産管理人を置いた場合、不在者財産管理人を交えて、遺産分割協議を行なうことになります。不在者は死亡した扱いにはならず、あくまで不在者の財産を管理する人が選任されただけだからです。不在者財産管理人は、財産である相続権について、その財産を管理する管理人として、不在者に代わって遺産分割協議に参加するのです。

いずれの制度を利用した場合でも、「行方不明者がいるから相続手続ができない」という状況は解消されることになります。

※もう一つの選択肢としての遺言

(推定)相続人の中に行方不明者がいる場合、生前対策として、遺言を残しておくという方法もあります。例えば、全財産を行方不明者以外の相続人でわけるような遺言を残しておけば、行方不明者がいることを考慮せずに、相続手続を進めることができます。ただし、これは、生前の対策であり、相続発生後にできる手続としては、不在者財産管理人の選任か失踪宣告ということになります。

失踪宣告の要件

失踪宣告には、普通失踪と特別失踪があり、それぞれ要件が異なります。

普通失踪:不在者の生死が7年間明らかでないこと

特別失踪 (危難失踪):危難に遭遇した者の生死が危難が去った後、1年間明らかでないとき

失踪宣告の効果

失踪宣告が出ると、失踪者は死亡したものとみなされます。死亡したとみなされるときは以下の通りです。。

普通失踪:生死が不明となってから7年間が経過したとき

特別失踪 (危難失踪):危難が去ったとき

死亡したとみなされるときがいつなのかによって、相続関係が変わってくる場合があります。失踪宣告を見当する場合、いつ死亡したとみなされるのかも判断材料となってきます。

失踪宣告の注意点

失踪宣告が出ると、申立人は、決められた期間内に、市区町村に失踪届を提出する必要があります。失踪届を出して、はじめて失踪者が死亡したことが戸籍に載るわけですが、この際、失踪宣告の申立人が届出人として戸籍に載ることになります。交流のあった親兄弟ならともかく、あまり親しくない存在の場合でも、届出人として戸籍に載ってしまいます。申立人には失踪届を出す義務があり、届け出を出した人は、必ず戸籍に載ってしまうので、失踪者の戸籍に、届出人として掲載されたくない場合、失踪宣告という選択肢をとるのか、再考する必要が出てきます。

失踪宣告申立手続の報酬(税別)

失踪宣告申立書類作成:150,000円~


※司法書士には、失踪宣告申立を含む家事事件の代理権はありませんが、司法書士法に定められた業務として、家庭裁判所を含む裁判所に提出する書類を作成することができます。
従って、弁護士のように、失踪宣告手続を代理して行うのではなく、裁判所提出書類作成という形で、失踪宣告手続のお手伝いをすることになります。

※戸籍収集をご依頼くださるときには、別途戸籍収集の報酬費用が発生します。

※上記報酬は、基本料金となり、事情により、報酬が増える場合があります。

失踪宣告手続の流れ

相続人の調査・捜索をする(戸籍や戸籍の附票を取る)

管轄の家庭裁判所に失踪宣告を申立てる。

家庭裁判所による各種機関や親族への調査

家庭裁判所への公告費用の納付

家庭裁判所による官報公告(普通失踪の場合、公告期間は3ヶ月以上)

家庭裁判所による失踪宣告審判(審判が出た後、2週間で確定)

確定証明書の取得

審判書と確定証明書を添付の上、市町村窓口に失踪届を提出(審判確定から10日以内)

死亡の事実が戸籍に記載される

死亡の事実が載った戸籍が取得可能となる。取得後、その戸籍(除籍)を使って、相続手続に着手する。

失踪宣告ケースその①

父Xが死亡し、相続人は子A・子B・子Cの3名である。

子のうち、Cが10年前から行方不明である。Cには配偶者Dと子のEがいる。

ここで、Cについて、失踪宣告が出された。死亡したとみなされる日は父が死亡した日よりも前である。


父Xの死亡により発生した相続については、相続人はA・B・Eとなります。

子Cは父Xよりも先に死亡しているので相続人にはなりません。Cについては代襲相続が発生するので、Cの子Eも相続人になります。配偶者は代襲相続人にはならないので、Cの配偶者のDは相続人にはなりません。

Cが死亡したとみなされるからといって、C以外の子A・Bだけで相続手続きができるわけではないので、注意が必要です。

失踪宣告ケースその②

父Xが死亡し、相続人は子A・子B・子Cの3名である。

子のうち、Cが10年前から行方不明である。Cには配偶者Dと子のEがいる。

ここで、Cについて、失踪宣告が出された。死亡したとみなされる日は父が死亡した日よりも後である。

子Cは父Xよりも後に死亡しているので、この場合には、代襲相続ではなく、数次の相続が発生したことになります。いったん相続権を獲得したCが死亡したことになるので、Cの子Eだけでなく、配偶者DもCの相続権を相続する形で、相続人になることになります。

このケースでは、ケース①と違い、Cの配偶者Dにも権利が生じるのです。

失踪宣告ケースその③

子Xが死亡し、相続人母Aと40年前に離婚した父Bである。

Bは30年前から行方不明である。

被相続人の母が、離婚した元配偶者(被相続人の父)と共同相続人になったケースです。

このケースは、失踪宣告制度と不在者財産管理人制度のどちらを選択するかで、権利者の構成が変わっくる可能性があります。失踪宣告の場合、Bは死亡したとみなされ、その結果、相続人はAのみとなりますが、不在者財産管理人制度利用の場合、Bも相続分を取得することになります。一応は、「帰来時弁済型」というような遺産分割の方法もありますが、Bが相続分を取得するのに変わりはなく、Bの相続人(例えばBの兄弟)に権利が発生する可能性があることに留意する必要があります。

不在者財産管理人選任のケース(参考)

父Xが死亡し、相続人は子A・子B・子Cの3名である。

子のうち、Cが行方不明である。Cには配偶者Dと子のEがいる。

ここで、Cについて、不在者財産管理人が選任された。


不在者Cは死亡したとはみなされません。従って、相続人は子A・B・Cの3名です。Cは相続人ですが、Cの代わりに不在者財産管理人が遺産分割協議をすることになります。Cが相続人となるかどうかが、失踪宣告と不在者財産管理人の大きな違いです。

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